人間国宝 森口華弘 色留袖

森口華弘(もりぐち かこう、1909年12月10日 – 2008年2月20日)は、戦後から平成にかけて活躍した日本の染織家で、“友禅染め”の重要無形文化財保持者、いわゆる人間国宝です。

略歴

  • 滋賀県守山市(旧守山町)出身。16歳で京友禅の名門・中川華邨に弟子入り。 
  • 1939年、自身の工房を京都市中京区に開設。戦後、新作友禅作家としての地位を固めました。 
  • 1955年、日本伝統工芸展で朝日新聞社賞受賞。1967年、人間国宝に認定。 
  • 功績により紫綬褒章(1971年)、旭日小綬章(1982年)を受章。 
  • 1998年には滋賀県守山市の名誉市民第1号に選ばれました。

代表作と技術革新

淡色濃淡による表現
菊や梅などの草花を淡い色のグラデーションで描き、立体感を出す“七五三技法”など斬新な様式を次々と編み出しました。

蒔糊(まきのり)技法を独自に発展・創始
一面に蒔糊を散らす独特の風合いは、霞のように淡く繊細な模様を生み、従来と異なる空間美を着物にもたらしました。